信越トレイルクラブ

信越トレイルの歩き方How to hike

信越トレイルを歩くにあたって

01計画の立て方

いつ歩く?

 信越トレイルがある信越エリアは、世界でも有数の豪雪地帯です。残雪・降雪がなくトレイルを安心して歩けるのは例年6月中・下旬から11月上旬までです。
5~6月は新緑と残雪のコントラストが美しい季節ですが、アイゼンなどの雪山装備やルートファインディングなどの知識が必要です。11月に入ると降雪の可能性があり、峠へのアクセス道も冬季閉鎖となります。またセクション10の苗場山では、無雪期が短く、秋は早ければ9月下旬から降雪、春は7月上旬まで残雪の可能性があります。
さらに新緑の初夏と紅葉の晩秋では、トレイルの表情が大きく異なります。宿泊施設やテントサイトを利用しながら一気にスルーハイクする醍醐味もありますが、2回、3回と季節を変えて歩くのもまたおすすめです。
信越トレイルは季節によってそれぞれの楽しみ方、注意点があります。詳しくはよくある質問の「トレイル」をお読みください。

計画の立て方
どのくらいの距離を歩く?

 トレイルを歩く距離として、1日1セクションが目安です。距離は10~12kmほどで所要時間は6~7時間となります。この場合は信越トレイル加盟宿などの周辺宿泊施設を利用すると便利です。
またもっとお気軽に、サブルートを利用した周回コースや各セクションの見どころを往復する5~6kmのコースも楽しめます。
テント泊でスルーハイクする場合、8泊9日で歩くのが一般的です。この場合の歩行距離は1日15~20kmほど。セクションハイクであれば、各峠からトレイルへとアクセスして、のんびりテント泊を楽しむこともできます。詳しくは「モデルコース」をご参考ください。

計画の立て方

02装備・心構え

                       

 信越トレイルは標高約1000mの森林地帯や里山の樹林帯、標高2000mを越える高山帯におよびます。トレイルには連続するアップダウンがあり、急な勾配と標高の変化が生じることがあります。また未舗装路もあれば、延々と続く舗装路もあり、不十分な計画と装備では危険も伴いますので、通常の登山と同じ装備と心構えで歩いて下さい。

  1. 信越トレイルオフィシャルマップを必ず携行して下さい。
    山行中はすぐにマップを見られるような形で携帯し、適宜コンパスや道標を用いて現在地を常に把握して下さい。
    マップはビジターセンターや信越トレイルWEBストアで購入できます。

    ビジターセンター
    信越トレイルSTORE
  2. 事前に情報収集と無理のない計画を!
    事前にトレイルの最新情報や気候と気温、警報・注意報の有無などをしっかり調べた上で、自分の体力・技術を過信せず無理のない計画を立て、入山届を提出して歩きましょう。

    ニュース&トピックス
    入山届
  3. 装備について
    最低限度の装備は「 信越トレイルを歩くために必要なもの」をご覧ください。プリントアウトし、出発前にチェックを行い漏れがないように心がけましょう。晴天・日帰り時でも装備を怠らないようにして下さい。
    歩く際に必要な登山道具のレンタルや販売は飯山駅1階の信越自然郷アクティビティセンターで行っています。

    信越自然郷アクティビティセンター
    信越トレイルを歩くために必要なもの
計画の立て方

03入山届

信越トレイルクラブでは、トレイルを歩かれる方に登山計画書の提出を推奨しています。
ご自身で立てた登山計画を見直すことで、計画に無理がないか・事前に準備しなければならないモノコトの把握に繋がります。
また長野県では、長野県内で指定された登山道を通行する際には、登山計画書の提出を必要しています。以下より入山届の提出をお願いします。

提出には以下の方法がおすすめです。

  1. 長野県公式HP https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/tozanjorei/tozanjorei.html
  2. 山と自然ネットワーク「コンパス」 https://www.mt-compass.com/reportmenu.php

04気象・動物

雨天

信越トレイルのある信越エリアでは、日本海で発生した湿った空気の影響や、北からの寒気の流れ込みにより、急な雨や霧に見舞われることがあります。
天気予報が晴天でも必ず雨具を用意し、装備には防水・防寒対策が必要です。
濡れによる低体温症を防ぐためにも体温を維持する行動食や風雨をしのげるツェルトが必携です。
また、信越トレイルには雨が降るととても滑りやすくなる箇所が数多くあります。
特に下り坂では滑って怪我をする可能性があるため、十分注意が必要です。

暑天

信越トレイルは高山帯ではない箇所がほとんどのため夏場は気温や湿度がかなり上昇します。熱中症対策に水分と塩分をこまめに補給し、気温が最も上がる時間帯はペースを落として歩いたり、こまめに休憩を取るようにしてください。
熱中症になってしまったら、涼しい場所へ移動し、水分と塩分を補給し、身体を冷やして安静にしましょう。
症状が改善しない場合は早めに救急ダイヤルへ電話をしてください。
(救急ダイヤル119番)

降雪

信越トレイルの関田山脈エリア(セクション1~7)では、早いと10月中旬から降雪があり、一晩で30cmもの積雪となる場合があります。高山地帯となる苗場山エリア(セクション10)では、早ければ9月下旬から降雪があり、7月上旬まで雪が残る可能性があります。天気予報を事前に確認し、寒冷前線の通過や、寒気の流れ込みが予想される場合は、十分な装備と無理のない行動を心掛けてください。

注意すべき動植物について

ハチ
トレイルには地蜂(ヂバチ)やスズメバチが生息しています。
地蜂はスズメバチほど攻撃性や毒性は強くないものの、地中や木の洞に巣を作る習性があるため、巣の存在に気づかずに不用意に近づきすぎて刺激してしまうことがあります。スズメバチは日本のハチ類の中で最も強力な毒を持ち、かつ高い攻撃性を有しており特に注意が必要です。
いずれの蜂も毒性の強弱に関わらず刺されることで全身アレルギー反応(アナフェラキシー)になると死に至る可能性があります。
ハチが飛んでいたら刺激せず静かに飛び去るのを待ってください。刺激を加えると襲い掛かってくる場合があります。もし刺された後に動悸が早くなったり、めまいを感じたら危険な状態にあります。その場合は至急、救急ダイヤルに電話し、現在地をオフィシャルマップで伝え、病院へ行ってください。
(救急ダイヤル119番)
救急隊の到着まで時間がかかることもあります。その場合はもし連絡がつけば日本中毒情報センターに電話をして指示を仰いでください。
日本中毒センター 大坂中毒110番 072-727-2499(24h)
日本中毒センター つくば中毒110番 029-852-9999(9~21時)

ヘビ
信越トレイルには猛毒を持ったマムシやヤマカガシというヘビが生息しています。雨が降った後、天気の良い日などは、トレイル上でヘビが身体を温めていることがあります。そのような際には、刺激を与えず、立ち去るのを待ってください。噛まれてしまった場合は、至急、救急ダイヤルに電話し、現在位置をオフィシャルマップで伝え、病院へ行ってください。
(救急ダイヤル119番)
救急隊の到着まで時間がかかることもあります。その場合はもし連絡がつけば日本中毒情報センターに電話をして指示を仰いでください。
日本中毒センター 大坂中毒110番 072-727-2499(24h)
日本中毒センター つくば中毒110番 029-852-9999(9~21時)

マダニ
 体長5mm前後で森の中に生息し、人や動物の身体から血を吸います。無理に取り除こうとすると炎症や感染症を引き起こす恐れがあり、重症の場合は死に至ることがあります。病院の皮膚科に行って取り除いてもらってください。予防のために長袖・長ズボンを着用することをおすすめします。

ウルシ
 枝が赤く、複葉が放射状に広がっているのが特徴です。触ると、人によってはアレルギー反応を起こし、激しいかゆみ・赤い発疹・水疱が皮膚にできる場合があります。症状が出た場合は、石けんで部位を良く洗い流し、薬局で症状を伝え、薬を購入してください。症状がひどい場合には、病院へ行くことをおすすめします。